明治28年12月脱稿
両親を知らず、一寸法師とあだ名されるほど背の低い傘屋の“吉三”と、仕立てを生業にする“お京”の姉弟のような関係は、生涯続くものと思われた。しかし突然、お京は、妾に行くことに。岐路に立つ二人の哀しみに滲んだ、人生の無常を描く。